【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜



「えっ、私ですか?」

 そうだな……。私なら?

「俺なら、愛南にパープルを選ぶかな」

「えっ?なんでですか?」
 
「俺の中の愛南のイメージ、結構パープルだから」

 私のイメージがパープル? そうかな?

「私、パープルですか?」

「ああ。だって愛南は、結構凛としてるだろ?」

「そうですか?」

 私って裕太さんから、そう見えてたの? 凛としたイメージだったんだ?

「そうだよ。俺はそう思ってるけど?」

「……意外です」

「でもやっぱりほら、愛南はパープルが似合うね」

 見本のサンプルウェアを私の身体に当てると、裕太さんはなんだか嬉しそうに微笑んでいる。

「パープルが似合うなんて、初めて言われました」

「そうなの?」

「はい。裕太さんが初めてです」

 私のイメージカラーがパープルか……。ちょっと悪くないよね。
 裕太さんがそう言ってくれたんだもん。

「じゃあ俺はまた一つ、愛南の初めてをもらえたってことだな」

 私はその言葉を聞いて思わず「え?」と裕太さんに視線を向ける。
 すると、裕太さんは私の頭を撫でながら「愛南の初めてをもらえるのは、嬉しいものだね」と微笑んでいる。

「わ、私の初めて……?」