「愛……してる」
愛してるってこういうことを言うんだ。
私は裕太さんのことを、愛している。
「この気持ちは……」
誰にも……譲れないものだ。
左手の薬指の結婚指輪を眺めながら、私は幸せだと思えた。
「ねぇ、愛莉……」
私も裕太さんのことが好きなの。 愛莉の言うように、私も裕太さんのことが大切。
ずっとそばにいたい相手で、ずっと幸せだと思える相手。 私も本気で、裕太さんのことを愛している。
「愛莉……私たちね、結婚式を挙げることにしたの」
愛莉もきっと、生きていたら結婚式を挙げていたよね? 大切な裕太さんと、幸せな結婚式を挙げていたよね?
愛莉のウェディングドレス姿、私も見てみたかったよ。……きっと、キレイだったよね。
きっと私も裕太さんも見とれてしまうくらい、キレイだったと思う。
「私もウェディングドレス姿、見てほしいな」
愛莉にも見てほしい、私のウェディングドレス姿を。……愛莉はなんて言ってくれる?
喜んでくれるかな? 裕太さんがね、結婚式を挙げようと言ってくれたの。
「だから、結婚式を挙げることにしたの」
愛莉が出来なかったことを、私が叶えてあげるね。 だから、楽しみにしてて。



