「はい、お待たせ。出来たよ」
出来たての釜玉うどんをテーブルに並べる。
「ありがとう」
「さ、食べよう」
「いただきます」
いただきますと手を合わせ、釜玉うどんを啜っていく。
「ん、美味しい」
「美味いな」
「ね、シンプルに美味しい」
こうやって二人で過ごす時間って何気ないけど、その何気ない幸せが、私たちを夫婦にしてくれた。
「うどんのコシすごいな」
「讃岐うどんだからかな?」
「やっぱ讃岐うどんはいいな」
「うん、モチモチしてるよね」
お昼ご飯を食べる時間は、心を癒やしてくれる。美味しいものを食べている時は、幸せだ。
「お昼ご飯食べたら、ちょっと外に出ないか?」
「うん。散歩?」
「ああ、ちょっと行きたい所があってさ」
行きたい所? どこだろう?
「どこ?」
「スポーツウェアの専門店だよ」
「スポーツウェアの専門店?」
どうしてスポーツウェアの専門店に?
「今度作るスポーツウェアのデザインの参考にしたくてさ」
「え、スポーツウェア作るの?」
「ああ、友人から頼まれてな」
そうだったんだ。
「その友人が、ジムをオープンするらしくてさ」
へぇ……。ジムを?



