「きっとすごく喜んでくれるよ」
「……うん」
ねぇ愛莉……私は幸せだよ、今。
愛莉の夢見てた幸せがこういうものなのか分からないけど、本当に幸せなの。
誰かとこうして幸せになれる日が来るなんて……。夢みたいだよ。
「愛莉のおかげだよ、ありがとう」
愛莉の写真に向かって、小さくそう呟く。
「あ、お昼ご飯の用意しないと」
「もうそんな時間か」
ふと時計に目をやると、時刻は十二時二十分を指していた。
「ごめんね、すぐお昼ご飯作るね」
「俺も手伝おうか?」
「ううん、大丈夫。すぐ出来るから待っててね」
キッチンに移動し、冷蔵庫を開ける。
卵があるのか……。確か冷蔵庫にうどんもあったよね?
「お昼ご飯、釜玉うどんでもいい?」
「ああ、いいよ」
「すぐ用意するね」
冷蔵庫から冷凍のうどんを取り出し、鍋に水を入れ火にかける。
お湯が沸いた鍋にうどんを入れて、茹でていく。
「釜玉うどんなんて久しぶりに食べるな」
「うん、たまに食べると美味しいよね」
お昼ご飯をこうやって二人で食べられるのも、幸せというものだ。
どんな小さいことも、今は幸せだと思えるから。