「これとこれもいいね、きっと似合うよ」

「ありがとう」

 ウェディングドレス……愛莉にも見せてあげたいな。
 愛莉、なんて言ってくれるかな……? 喜んでくれるかな? 

「式場はもうここにしてもいい?」

「うん。……私もそこがいい」

 とても素敵な式場だと思う。 こんな所で結婚式を挙げられたら、幸せだろうなって思う。

「じゃあ決まり。結婚式は、ここでやろう」

「……うん」

 結婚式……。どうなってしまうのか、全然想像つかない。
 でも……嬉しいなって気持ちが大きい。

「愛莉、喜んでくれるかな」

「ん?」

「ウェディングドレス姿……喜んでくれるかな」

 そんな私に、裕太さんは「きっと喜んでくれると思うよ。大切な妹の結婚式なんだから」と優しく手を握ってくれる。

「そうだといいな」

「愛莉にも見せてあげないとな、愛南のドレス姿」

 二人でリビングに飾っている、生前の愛莉の写真を眺める。

「ちょっと恥ずかしいけど……見てほしいな」

「きっと見てくれるよ。 泣いて喜ぶんじゃないか?」

「それはどうだろう?」

 でも私が愛莉だったら、きっと嬉しくて泣いてるかもしれない。