【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜



 そう言われると、少し恥ずかしいと感じる。

「……裕太さん、私裕太さんにお礼がしたいの」

「お礼?」

「うん」

 裕太さんには感謝しかないから、その感謝の気持ちを伝えたいって思ってた。

「私と結婚してくれて……ありがとう。私を愛してくれて、ありがとう」

 愛莉の身代わりでもいいと言った私に、裕太さんはちゃんと向き合ってくれた。
 最初は【愛莉のことを愛しているから、身代わりには出来ない】そう言っていた。
 
 けどそれでも【結婚しよう】と言ってくれた。 そして私を愛してくれた。
 私を好きだと言ってくれて、それからはたくさん愛をくれた。

 そんな私は、とても今幸せでしかない。どんな形であれ、私たちは夫婦になった。
 夫婦としてまだ一年だけど、私たちはもっともっと、強い絆で結ばれた夫婦になっていきたい。

 愛莉が残してくれたこの生命(いのち)が、私を救ってくれたのだから。
 だから私は、愛莉の分まで幸せになる。愛莉が叶えられなかったことを、私が裕太さんと二人で叶えていきたい。

「……こちらこそ、ありがとう。愛南がいてくれたから、俺は今日までやってこれた。愛南のおかげだ」

 私は今……とても幸せだ。