その事故から半年が経った頃、私は裕太さんとたまたま再会した。

「あ、裕太さん……」

「愛南ちゃん……?」

 愛莉が交際していた時、裕太さんとは何回か会っていた。愛莉が裕太さんを家に連れてきていたからだ。
 愛莉の葬儀の日以来、裕太さんとは会っていなかった。 それに、合わせる顔すらもなかった。

「大丈夫……?愛南ちゃん」

「……はい」

 裕太さんは、私のことを心配しているようだった。

「……裕太さん、あの」

「愛南ちゃん、無事で良かったね」

 そう言った裕太さんの言葉が、私にはすごく重く感じた。

「愛南ちゃん……どうしたの?」

「……裕太さん、愛莉のこと……すみませんでした」

 裕太さんには、すごく悪いことをしたと思っている。 裕太さんが愛してくれた愛莉を、失わせてしまったこと。
 ……すごく後悔している。

「愛莉、愛南ちゃんのこと守ったんだってね」

「……え?」

「さすが愛莉、だな。 愛莉は、愛南ちゃんのこと本当に大切だったみたいだから」

 裕太さんからそう言われた私は、思わず裕太さんの顔を見た。

「愛莉はいつも、愛南ちゃんのこと大好きだったから」

「……愛莉が?」

 愛莉……私も、愛莉のことが大好きだった。