【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜



 そう言われて私は、照れてしまい「へっ……!」と慌てて顔を隠した。

「恥ずかしがってる愛南も可愛いな」

「っ……からかわないで!」

 もう、裕太さんは意地悪なんだから……。

「愛南……」

 そう思ったけど、裕太さんに見つめられ、私は再びその目を閉じた。

「ん……ふぅ……」

 再び重なりだす裕太さんの唇に、私は嬉しさを感じていた。
 次第に深く激しく重なりだすその唇に、私は裕太さんの服の袖を掴んでいた。
 
「はぁ……っ、んっ……」

 気が付いたらそのままソファに押し倒されていて、目の前に裕太さんの顔があった。

「裕太さん……」

「愛南がそんな顔するから、イケないんだよ」
  
 裕太さんは意地悪くそう言うけど、私は裕太さんとのキスは嬉しいし、ドキドキする。

「……もっとキスして、裕太さん」  

 そうねだる私に、裕太さんは「……本当に悪い子だね、愛南は」と笑うと、私をお姫様だっこして持ち上げる。

「……えっ!?」

「ベッドに行こうか、お姫様」

 そのまま寝室のドアを開けると、私をベッドの上にそっと降ろす。
 
「愛南……」

 裕太さんに見つめられると、名前を呼ばれると、ドキドキする。