【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜



「え?出前?」

「たまにはいいんじゃない?そういうのも」

 確かに、最近出前なんて取ってなかったな。

「決まりだね。今日は出前取ろっか」

「うん」

 私はスマホを開き、出前のアプリを開く。

「何食べたいとか、ある?裕太さん」

「そうだな……。ピザとかどう?」

「ピザ……いいね」

 アプリにピザと入力し、検索をかけていく。

「今なら二十分くらいで持ってきてくれるって」

「いいんじゃない?」

 お店を選択して、メニューを開く。

「えーどれがいいかな?」

 種類が結構あるから、迷ってしまいそうだ。

「野菜いっぱい乗ってるのもあるね。でも定番のマルゲリータもいいよね」

 裕太さんはいつになく迷っているらしい。その真剣に悩む横顔が、妙にカッコよくて、キュンとしてしまう。

「……ん? どうかした?」

「えっ!?  あ、ううん!なんでもない」

 イケないイケない。ついつい見惚れてしまった……。

「俺がそんなに気になる?」

「そ、そ、そんなこと……っ、んっ」

 私の言葉は、裕太さんの唇によって遮られてしまう。

「……っ、なんで?」

「そんなに見つめられると、キスしてって言ってるようなもんだぞ?」