「相変わらず腕を見せ付けてたか、アイツは」
「もうなんか、神様みたいな、そんな感じでした」
「ハハッ!そうだったのか」
真坂店長もなんやかんやと、いとこさんのことを認めているらしいのだけど。
「アイツは昔からすごいヤツだったからな。独立して店を開くって言った時も、本当に大丈夫なのかって心配はしたけど……今じゃあんなに慕われてるし、心配することもないな」
真坂店長、すごくイイ人だ。いとこさんのこと、結構信用してるんだな。
「スタッフの皆さん本当にイイ人たちで、みんな楽しそうに働いてました。生き生きしてて、お客様に寄り添ってる感じが素敵でした」
私もあんなスタッフになりたいなって、今回の研修を受けて本当に思えた。
「愛南ちゃん、アイツに誘われたりしなかった?」
「えっ!?」
な、なんでそれを……!
「やっぱり。誘われたんだね?」
「いえ、まあ……はい」
「アイツ、俺の大切なスタッフを引き抜こうだなんて思ってるのか。 悪いヤツだな」
と言いながら、真坂店長は「アイツらしいな」と笑っていた。
でも私には、あの言葉が本気なのかどうか分かっていなかったので、ちょっと困惑したけれど。



