研修を終えた私は、一旦お店に戻ることにした。
「お疲れ様です」
「おお、愛南ちゃん。お疲れ様!」
お店に戻ると、真坂店長はカウンターにいたのか、すぐに私に気付いて笑顔を見せていた。
「真坂店長、お疲れ様です」
「研修お疲れ様! どうだった?研修」
そう問いかけられ、私は「とても良かったです。勉強になりました」と答えた。
「そっかそっか〜。それなら良かったよ」
安心したような表情を見せていた真坂店長だったけど、真坂店長は私に「あ、アイツ厳しくなかった?」と再び聞いてくる。
「アイツ? あ、いとこさんのことですか?」
「そう。アイツにお手柔らかに、って伝えておいたんだけど、大丈夫だった?」
そんなこと伝えてくれてたんだ、店長。
「大丈夫でした。でもやっぱり流石でした。切るスピードもですけど、手さばきが本当にすごくて……。圧倒されました」
マネキンの髪を切る姿を直接拝見したけど、スピード感が圧倒的に違った。 でもスピード感の中にもちゃんと丁寧さとかがあって、とても驚かされた。
器用だし、早いし、何もかも完璧な施術だった。
そりゃあ口コミ高いのも、頷けるなって思った。



