「発売されたら私、絶対に買います」
 
「じゃあ俺が買うよ。 二人でペアルック、着ようか」

「ふ……二人で?」

 私と裕太さん、二人でペアルック? 恥ずかしいような、そうじゃないような……。

「夫婦でペアルック、悪くないだろ?」

「……まあ」  
 
 ペアルックか……。言われたら確かに、二人でペアルックも悪くないかも……。

「じゃあ三月に発売されたら、すぐに買いに行こうか」

「う、うん」

 発売まではまだ先か……。楽しみだ。

「じゃあ二人でペアルックでも着て、愛莉に会いに行こうか」

「……え?」

「愛莉にも、コラボ商品見せてやろう」

 そっか。愛莉もきっと、裕太さんの作った服を着たいに決まってるよね……。
 愛莉が生きていたら、きっと愛莉だって裕太さんの作った服を着たくて楽しみにしてたはずだもん。

 愛莉はそういう人だった。 愛莉は本当に優しくて、本当に心の温かい人だった。
 きっと大好きな裕太さんのことなら、愛莉はとても喜んでいたことだろう。

「愛莉はきっと喜んでくれると思う」

「そうだな。愛莉はきっと、喜んでくれるよな」

 私も本当に、そう思う。