こんなに楽しい食事をしていると、結婚して良かったと思ってる。 お互いの利害が一致しただけの結婚だったけれど、それでもこうして楽しいと思えるのは、裕太さんのおかげだ。

 裕太さんがいてくれるから、私はこんなに楽しいんだなって思える。 お互い職業も趣味も性格も違う二人がこうして夫婦になれるのって、すごいことだなって思ってる。
 これから先の人生を二人で生きていく覚悟が、段々と私たちの中には出てきた気がする。

「ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでした」

 夕食を食べ終えて食器をキッチンへと片付けると、裕太さんは仕事が残っているからと仕事部屋へと入っていく。
 私はその間に、先にお風呂に入ることにした。

「ふぅっ……」

 仕事でパンパンになった足はむくんでいて、触ると少し痛い。 立ち仕事だから、やはり足はむくむな。

「今日も疲れた……」

 仕事終わりにこうして暖かい湯船に浸かるだけで、なんだか心がホッとする。
 癒やされるというか、疲れが吹っ飛びそうだ。明日からもまた頑張れそうだ。

「裕太さんと、私は……夫婦になれてるのかな」

 夫婦って何なのか、未だに謎だ。