「美味しそう。いいニオイ」

 照り焼きタレのいい香りがキッチン内に広がっていく。

「お腹空いたな」

「うん、お腹空いた」

 タレがお肉に絡まった所で、裕太さんはお皿の上にお肉を乗せていく。

「これ、運ぶよ」

「うん、ありがとう」

 裕太さんは本当に優しいんだ。私にもこんなに優しくしてくれる。

「おみそ汁よそうね」

「ああ、うん」

 おみそ汁をお揃いのお椀によそい、テーブルに並べていく。
 
「あ、お漬物出すの忘れた」

「じゃあ俺がやるよ」

「いいの?ありがとう」

 作っていた白菜の漬物を、裕太さんが冷蔵庫から出してくれる。

「いい感じに浸かってる」

「良かった」

 たまに作る白菜の漬物を、裕太さんは美味しいと食べてくれる。白菜の他にはきゅうりやナスなどの漬物も作るけど、白菜が一番好評だ。

「美味しそうだね」

「うん」

 お箸とご飯をテーブルに並べ、二人で手を合わせて夕食を食べる。

「ん、漬物美味い」

「良かった」

「味付けちょうどいいよ」

 夕食さんは白菜の漬物をポリポリと食べていく。

「おみそ汁も美味いよ、愛南」