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「愛南、明日食事にでも行こうか」

「え? 食事?」

 裕太さんと結婚してから、間もなく四ヶ月が経とうしている。
 私たちは仲がいいといえば、そうなのかもしれない。世間一般から見たら、普通の夫婦だ。

 私と裕太さんは、夫婦になってまだ浅い。けど、少しずつその距離は縮まっているような気がする。
 夫婦として、確実に進んできていると感じてきている。

「愛南はどこのお店行きたい?」

「どこって言われても……」

 少し考え込んでみるけど、行きたい所が思い付かない。

「じゃあさ、俺の行きたい所行ってもいい?」

 裕太さんは私の隣でお肉を焼きながら、そう言ってくる。

「行きたい所、あるの?」

「ああ、あるんだ。行きたい所」

「まあ、そう言うなら」

 裕太さんの行きたい所はどこなんだろう?と考えながら、私はおみそ汁を作っていく。

「絶対、愛南も喜ぶと思うよ」

「喜ぶ?」

 私が?と疑問に思う。

「そう、喜ぶ所に行こうか」

「どこですか?」

「それは、明日のお楽しみだよ」

 裕太さんはお肉に甘辛い照り焼きタレをかけると、そのままお肉に絡めていく。