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「今日も在宅ですよね、裕太さん」

「ああ。 愛南は出勤だろ?」

「はい」

 翌日、裕太さんは在宅でイラストレーションの最終仕上げをすると言っていた。
 私は美容室がお休みの火曜日と、基本は金曜日を休みにしてもらっているので、今日は出勤の日だ。

「今日は夕食、俺が何か作っておくよ」

 家にいる時の裕太さんは、優しいから夕食を作ってくれたり、お風呂まで沸かしてくれる。

「ありがとうございます」

「夕食に何か食べたいものあったら、ラインして」

「分かりました。……じゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 裕太さんに見送られた私は、そのまま勤務している美容室へと向かう。
 私が勤務している美容室へは、電車で通勤する。降りた駅から五分ほど歩くと、花屋さんの隣に見える建物がある。
 そこが私の勤めている美容室だ。

「おはようございまーす」

「おはよう、愛南ちゃん」
 
 いつものように出勤すると、真坂店長が笑顔で挨拶をしてくれる。

「店長、今日もよろしくお願いします」

「うん、よろしく。 じゃあ今日も、お店のモットーを忘れずにね」

「はい!」