「あまり無理、しないでくださいね」

「分かってるよ。無理はしてないから、大丈夫だよ」

 裕太さんは私に優しく微笑みかける。

「ならいいんですけど……」

「俺はどちらかと言うと、愛南の方が心配だけどね」
  
 裕太さんは私にそう言ってくれる。

「え? 私?」

「ああ。 愛南は頑張り屋だから、無理しちゃう所あるだろ?」

「そう、ですか……?」

 自分ではあまり、そうは感じてはいなかったのだけど……。

「うん、愛南は頑張りすぎだよ。 たまにはリラックスして、肩の力抜かないとね」

「……確かに、そうですね」

 裕太さんの言う通り、肩の力抜かないと気を張りすぎて疲れてしまうかもしれない。

「愛南は愛南だし、愛莉と比べることはないよ。……愛南は愛南のままで、いいんだよ」

 裕太さんのその優しい言葉に、私は「はい」と答えた。

「愛南にはいつも、笑っていてほしいからね」

「……私も、裕太さんには笑っていてほしいです」

「じゃあお互いに、無理はしちゃダメだね」

 裕太さんのその言葉に、私は「ですね」と返事をした。
 本当に裕太さんは、私のことよく見てるなと思う。 きっと気遣いが出来る人だからこそ、小さい所にも気付けるのかなと思う。