愛莉の面影を、私はまだどこかで探してしまっている。

「私……今でもお笑い番組は、録画してるんです」

「そうなのか?」

 私はテーブルにサラダとスープを並べながら「はい。 愛莉の大好きな番組は、私の大好きな番組でもあるので」と答えた。

「そうなのか。 まあ確かにお笑い番組は、面白いよな」

「はい。すごく面白いです」

 私もお笑い番組は、面白くて好き。だから愛莉との思い出を、残していきたいと思ってる。

「さ、朝ごはん食べましょう」

「ああ、食べよう」
 
 結婚してからは裕太さんと二人、朝ごはんを食べるのが毎日の日課だった。
 朝ごはんはいつも食べるようにしている。サラダとトーストが多いけど、二人で夫婦としての一日をスタートする。

「いただきます」

「いただきます」

 裕太さんはイラストレーターをしていて、広告会社に勤務している。
 雑誌にもたまに載る時があるのだけど、裕太さん自身はあまり嬉しい感じではないらしい。

「今度さ、アパレルブランドとコラボした商品を出すことになったんだ」

 と、スープを飲みながら裕太さんは私に言った。

「アパレル?」