夫婦の証……。結婚指輪をはめている自分を、全然想像もできない。
 そもそも結婚指輪を、もらうつもりもなかったし……。

「愛南がほしいと思った指輪を、プレゼントするよ」

「……でも、いいんですか?」

「いいに決まっているだろ。愛南は俺の妻なんだから」

 裕太さんはそう言って私の手を、そっと握ってくれる。

「……はい。ありがとう、裕太さん」

「ん。 じゃあとりあえず、家に帰ろうか」

「はい」

 私たちの住む家に帰るため、裕太さんは車を走らせた。

「愛莉も、助手席乗ってたんですよね?」

「乗ってたよ。嬉しそうにね」

「嬉しそう……?」

 嬉しそうって……どういうことだろう?

「愛莉はよく言ってたんだ。運転する俺の横顔を見るのが好きだって」

「裕太さんの、横顔……?」

 確かに裕太さんの横顔は、カッコイイとは思う。 鼻筋がしっかりしているし、肌もキレイだし、まつ毛も長くて……。

「確かに、キレイな横顔ですね」

「あれ、愛南もそう思う?」

「はい。 愛莉が言ってること、なんか分かります」

 男らしさや色気が、滲み溢れている裕太さんだもん。