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  私が次に目を覚ましたのは、その一週間後のことだった。
 
「愛南……!? 良かった!目を覚ましたのね!?」

 そこに私たちの両親はいた。 目を覚ました瞬間に、両親はボロボロと泣いていた。
 でも私の隣には、姉の愛莉の姿はなかったーーー。

「ねぇ、お母さん……。愛莉は……?」

 視線を向けながらそう問いかけると、両親は「愛莉はね……あの時の事故で、亡くなったの……」と泣きながら答えた。

「……え?」

 一瞬、何を言われたのか分からなかった。

「愛莉は……亡くなったのよ……」

 愛莉が……亡くなった……? ウソでしょ……?

「え……。どういうこと……?」

「……愛莉は、お前を守ろうとして庇ったんだよ」

 そう言ったのは、私の父親だ。

「え……。庇った……?」

 庇ったって……何……?

「愛莉は……お前を守ろうとして、車の下敷きになったんだ」

 そう言った父親の言葉を、私は未だに忘れない。

「私を……守ろうとした……?」

「そうだ。……お前を助けようとしたんだ、愛南」

 なんで……? なんで……。

「そん、な……」

 私のせい……? 私のせいで、愛莉は亡くなったってこと……?