【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜



「そうだよ。……愛南の幸せは、愛莉の幸せだよ」

 裕太さんからそんなことを言われたら、そうなのかもしれないと思ってしまう。
 私にとっての幸せが、愛莉にとっての幸せなのなら……私は幸せになるべきなんだと、感じた。

「……はい、裕太さん」
 
「俺は愛南のことを、必ず幸せにするよ。……約束する」

「……はい」

 私は幸せになってもいいのか分からないけど、幸せになりたいーーー。
 他の誰でもじゃなくて、裕太さんとだから、幸せになりたいーーー。

「だから愛南も……幸せになろう、俺と一緒に。愛莉の分まで」

「はい。……なります、幸せに」

 ねぇ愛莉、愛莉にとって裕太さんは本当に大切な人だったんだよね。 愛莉が裕太さんを好きになる気持ち、私もよく分かったよ。
 裕太さんは本当に優しくて、心の温かい人なんだよね。 

 裕太さんは私にも本当に優しくしてくれるから、裕太さんと結婚したら私も幸せになれるかもしれないなって、私も思ったよ。
 愛莉の言う幸せがなんなのか、今なら私にも分かるような気がするよ。

 裕太さんは愛莉と一緒で、本当に太陽みたいな人だね、愛莉。 私のことも、愛してくれると言ってくれたんだ。