それでも私は、愛莉が願った幸せをこの手で見つけてあげたかったんだーーー。

「愛南ちゃん、本当に俺と結婚出来る? 俺は愛莉の婚約者だったんだよ?……君の双子のお姉さん、愛莉の婚約者なんだよ」

 真剣な眼差しで、裕太さんからそう問いかけられる。

「私は愛南です。私は、愛莉みたいにはなれない。……でも私は、あなたと幸せになりたいと思ってます。 だから、私と結婚してくれますか?」

「愛南ちゃん……」

 この先私たちがどうなるのかなんて、分からない。 裕太さんが想っているのは、愛莉だけであって、私ではないから。
 だけどこの先、何か変わることがあるなら……裕太さんとの未来にかけてみたい。

 もし私が裕太さんのことを好きになってしまったら……愛莉は怒るかもしれないね。
 愛莉が愛した人を奪ってしまったと、もしかしたら悔やむかもしれない。

 愛莉に恨まれるかもしれない。 でも愛莉が感じていた幸せとか、そういうものを私も感じたい。
 だから私は、裕太さんを利用する。……裕太さんと一緒に、幸せになれるのかを知りたい。
 これからの先の未来を、一緒に見つめたい。

「……愛南ちゃん。俺と結婚、しよっか」