それから結婚式の準備は着用と進み、結婚式当日となった。
 今回の結婚式は、親族や親しい友人のみで執り行うことにした。 
 私と裕太さんと、それぞれの両親。そして愛莉、裕太さんの親友の神谷さんにも見守られながら、私たちの結婚式はスタートする。

 二人で決めたウェディングドレスと、タキシードを着て、結婚式をする。
 それに合わせたメイクとヘアメイクをやってもらい、私は新婦へと変身した。
 まさか私が、ウェディングドレスを着られる日が来るなんて……。今まで想像すらしたことがなかったことだ。
 そんな私が、今こうして真っ白なウェディングドレスを着ている。

 まだ結婚式をするなんていう実感も沸かないけど、これが幸せだと感じられる瞬間だということは分かる。
 裕太さんと結婚したあの日から、私は裕太さんと二人で夫婦として、これまでの日々を歩み始めた。  
 お互いのことをなにも知らないまま、私たちは結婚したけれど、それでもこうしてちゃんと、愛のある夫婦になれた。

 お母さんの両手には、愛莉の遺影がしっかりと抱き締められている。
 愛莉にも、私たちの結婚式を見守っていてほしい。 どう思われるか分からないけど、愛莉にも幸せな気持ちになってもらえるような結婚式にしたい。