そして私たちは、こうして共に生きていくことを誓った。 
 私たちはお互いの寂しさを埋めるために、結婚したも同然だった。
 だからこそ、この結婚が本当に正しかったのかも分からない。 裕太さんを利用するようなことを、私はしてしまったのだから。

 それでも私を受け入れてくれた裕太さんに、私はずっと感謝をしている。
 結局私は……裕太さんのことを好きになってしまった。 こんなにも、愛してしまった。
 気付いた時には、もう後戻りが出来なくなっていたんだ。 

「愛南は……後悔してる? 俺と結婚したこと」

 裕太さんは私に、一度そう聞いたことがあった。その時の私は、後悔してるのかもよく分からなくて「……正直、よく分かりません」と答えていた。
 でも今の私は、もう一度裕太さんに同じ質問をされたら、きっとこう答えられる。

「私は、この結婚に後悔なんてありません」

 今の私なら、きっとこう答える。

「この先も、私はきっと後悔なんてしないよ」

「ん? なにが?」

 そんな裕太さんに、私は「裕太さんと、結婚したことだよ」と微笑む。

「俺も後悔、してないよ」

「……良かった」

 私たちには、お互いを支え合える自信がある。お互いを深く愛していける自信もある。
 この先の人生も、共に生きていける勇気もある。