「それも美味しそう」

「後で一口分けてあげるよ」

「やった!」

 また私は子供みたいにはしゃいでしまった。
 こんなの、笑われてしまう……!

「すみません」

「いらっしゃいませ。ご注文伺いますよ」

「はい」

 裕太さんがクレープを注文して出来上がるのを待ってる間、私たちは他愛もない話をしていた。
 クレープが出来上がると、美味しそうなニオイが漂ってくる。

「いいニオイしてきた」

「いいニオイだな」

 大人になると、クレープを食べる機会って減ってしまう気がしている。……そういえば高校生の時は、よく愛莉と二人で学校帰りとか休みの日に、クレープを食べに行っていたな。
 お母さんたちには内緒で、よくクレープ食べて帰っていた。 でもたまに私や愛莉の制服にホイップクリームが付いていて、バレたこともあった。

 あの時は楽しかったな。愛莉と二人で一緒にお買い物に行ったり、家族みんなで出かけていた。
 愛莉と色違いのタオルやポーチを買ったりして、誕生日にはなぜか、二人で同じものを買ってプレゼントしたことも何回もあった。

 本当に愛莉とは仲が良かった。 双子だからかもしれないけど、愛莉は私にとってかけがえのない大切な人だった。