【完結】身代わり婚〜私、姉の代わりに結婚します〜



「二の腕の所、ちょっとキツそうですね?」

「言われるとそうかもな。ピチッとしてると、動きづらくなりそうだな」

 二の腕部分を触る裕太さんに、私は「はい」と返事をする。

「試しにこれ着て、二人でウォーキングでも行ってみるか」

「ウォーキングですか?」

「ああ。ちょっと実際に動いてみないと分からないこともあるし、ウォーキングしに行こうか」

 裕太さんの提案を受け入れた私は、すぐ出かける準備をした。

「愛南、ちゃんと中にTシャツ着ないとダメだよ?」

「分かってます!」

 キャミソールの上に適当にTシャツを着てから、スマホやお財布などを小さいバッグに入れ替えて出かけた。

「ざっと一時間くらい歩けば汗もかけるだろ」

「い、一時間……」

 一時間って、ちょっと大変かも……。

「無理しないでいいから。愛南のペースに合わせて歩くから、ゆっくりでいい。あまりスピード上げると身体が大変だから」

「分かりました」

 二人で新しいウェアを着て、ウォーキングを始めた。

「これ冬は寒くないんですかね?」

「冬はこれを発熱素材に変えれば、イケるかもな」

「発熱素材? ヒートテックみたいな?」  

「そんな感じかな」