「玲人くん、サービスしすぎじゃない? 疲れてない?」

あかねの心配に、玲人は笑顔を向けた。

「ううん、全然。凄く楽しいよ。なんか子供の頃に妹とままごとやったのを思い出しちゃった」

あはは、と笑う玲人の笑顔に嘘がなかったので、あかねは少し安心した。

「あんま、無理しないでね。折角うちに転入した甲斐がないよ?」

気を使って言ってみると、玲人も落ち着いて微笑んでくれた。

「ありがと。でもほんとに楽しいんだ。やっぱり転入してきてよかった。今までとは違う体験をしてる感じがしてワクワクしてるよ」

そうならいいんだ。あかねは玲人が無理していないことを確認すると、廊下の列整理に戻った。





その様子を玲人が汗を拭きながら見つめていた。