玲人をリーダーとする執事喫茶で盛り上がっていたクラスメイトたちがしん、としてあかねを見た。いたたまれなくて俯いたが、クラスにカッコつけと後ろ指をさされても、玲人の願いを守りたかった。
しん、と静まり返った教室に、声が響く。
「あの」
すいっと、あかねの隣の席の玲人が挙手した。
「僕、いいですよ。文化祭って思い出に残るものでしょう? 僕で良ければ、皆の力になりたいです」
(ああ、玲人くんはやっぱり素敵だ……。自分の自由を犠牲にしてまでもクラスに貢献しようだなんて……。もしかして『FTF』でも、そうやってみんなを引っ張ってたのかな……。それだとしたら、凄く疲れただろうな……。それなのに五年も嫌な顔一つせずに、私たちに夢を見させてくれた玲人くんは、やっぱり凄いよ……。せめて高校(ここ)では、そういうことと無縁になればいいのに……)
あかねはそう思ったが、それでも着席する間際に玲人があかねを見て微笑んでくれたから、あかねの気持ちは伝わった……、のかもしれない。
しん、と静まり返った教室に、声が響く。
「あの」
すいっと、あかねの隣の席の玲人が挙手した。
「僕、いいですよ。文化祭って思い出に残るものでしょう? 僕で良ければ、皆の力になりたいです」
(ああ、玲人くんはやっぱり素敵だ……。自分の自由を犠牲にしてまでもクラスに貢献しようだなんて……。もしかして『FTF』でも、そうやってみんなを引っ張ってたのかな……。それだとしたら、凄く疲れただろうな……。それなのに五年も嫌な顔一つせずに、私たちに夢を見させてくれた玲人くんは、やっぱり凄いよ……。せめて高校(ここ)では、そういうことと無縁になればいいのに……)
あかねはそう思ったが、それでも着席する間際に玲人があかねを見て微笑んでくれたから、あかねの気持ちは伝わった……、のかもしれない。



