「出来れば今まで通り玲人くんには我関せずな優菜で居て欲しいわ。玲人くんの心の安らぎを、クラスの中に作りたい」

「凄いね、推しの為にそこまで態度を豹変させられるもの?」

優菜の疑問は愚問だ。推しの存在こそあかねの人生を照らすもの。その推しが求めることを叶える術が、今のあかねにはある。

『ファン』という十把一絡げの一部としてではなく、確実に玲人の為に『あかねが』してあげられることがあるのだ。やる気になるのは当たり前ではないか。

「勿論だよ」

迷いない目で頷くと、優菜は笑って、じゃあ協力するよ、と小指を出してくれた。