「まあ、確かに平凡な高校に舞い降りたスターだし、あれだけ外見が良ければ、ファンじゃなかった私まで、クラスメイトであることにちょっとドキドキするもんね」

アイドルに我関せずだった優菜の心を推しが動かしたかと思うと、何故か鼻高々になってしまう。

(そうなのよ! 玲人くんはそもそもの人としてのオーラが素晴らしいのよ! 人格者で、努力家! そして他人想いときたら、そりゃあ玲人くんに興味なかった優菜だってイチコロだわよ!!! さっすが玲人くん!! やっぱり玲人くんは凄い! もう、人としての神なんじゃないかな!?!?)

あかねは内心そう思ったが、しかし玲人が求める『普通の高校生活』を送らせてやりたい一心で、優菜に頼み込んだ。