桜が咲く頃に、私は

プレゼントを考えて悩む時間は、意外なほどに早く経過して、気付けば空と合流して一時間が経とうとしている。


楽しい時間は早く過ぎるのに、私はまだ何をプレゼントするか決まらない。


「お待たせ。どうだ? 決まったか?」


存外早く決めたようで、空の手にはラッピングされた細長い箱が。


店を出て、とりあえず駅の方に向かって歩きながら頭を悩ませて唸った。


「二日前に言うんだもん。もっと早く言ってくれたら、考える時間もあったのにさ」


「いや、だってよ。早春がこんなにうちに泊まるとは思わないだろ? 最近はずっとうちにいるし、それならって思ったのが昨日だったんだよ」


そう言われると反論出来ない。


家出少女の悲しい現実ってやつだ。


「それにしても、本気で買うとは思わなかったよ。大丈夫? 夢ちゃんドン引きしない?」


からかうように、笑いながらそう尋ねると、空は少し悲しそうな表情を浮かべて。


「……俺が贈ってやれる、最後の誕生日プレゼントだから。今じゃなくて、この先ずっと夢が使える物を贈りたかったんだ。来年の誕生日には……俺はいないからな」


そう……だよね。


私達はもう、そう遠くない近い未来に死んでしまうんだ。


だから、夢ちゃんの為にずっと先にも使えるものっていう空の気持ちは、痛いほどわかるよ。