桜が咲く頃に、私は

しばらく歩いてやって来たのは……ジュエリーショップ。


「い、いやいや。いくら何でも中学生に宝石とか気合い入りすぎでしょ」


夢ちゃんよりも先に私がドン引きして呟いたけど、それでも空は私の声を無視して店に入る。


仕方なく私も入ると、やはり女子高生と現場作業員には不釣り合いな程に煌びやかな空間で、居心地の悪さが身に染みるよ。


店内をグルリと回り、空はどうやら指輪とネックレスで迷っているようで、両方の間を行ったり来たり。


「すみません、これ……ちょっと見せて欲しいんですけど」


「プレゼントですか? よろしければ試着されますか?」


「あ、いや、こいつにプレゼントじゃなくて……」


店員と空が交互に私を見るけど、まあこんな店に二人で来たらそう思われるよね。


だけどなぜか、私は指輪の試着をさせられたり指のサイズを測られたり。


私じゃなくて夢ちゃんのプレゼントだってのに。


何を買うつもりかは知らないけど、この店では完全に予算オーバーだし、私は何にしようかと、店のものを見ながら考える。


うーん……夢ちゃんは来年から高校生だし、化粧品っていうのも悪くはないけど、消耗品だからなあ。


服とかでも良いと思うんだけど……似合う似合わないがあるから、出来るなら本人と一緒に買いに行きたいと思うし。


考え始めると、本当に何を買えば良いかわからなくなるよ。