桜が咲く頃に、私は

「なんだよ桜井、お前帰るのかよ! じゃああれだ! 広瀬を呼べ広瀬! お前らがどれだけ進んでるか尋問してやる!」


大笑いしながら、スマホを取り出してメッセージを送り始めた深沢。


そんなの放ってくれと思ったけど、深沢に呼ばれたからって広瀬がこんな集まりに来るとは思えないし。


予定の時間よりは少し早いけど、プレゼントを選ぶというのが楽しみで、私は席を立った。


「ま、そういうことだから。また明日ね。あ、そうそう。深沢、あんまり食べ過ぎるとますます美味しそうな豚足になっちゃうよ?」


「うっせーわ! ワンパターンかよお前ら! 前足で張り手かますぞこの野郎!」


こんな冗談も、喧嘩ではなく皆で笑って言い合える仲になっている。


全てが良い方向に向かい始めているという実感はあるけど、不安も当然ある。


後どれだけ、こんな日々が過ごせるのだろうかと、頭上の数字を見る度に不安で押し潰されそうになるんだ。


バーガーショップを出て、待ち合わせ場所の駅に向かって歩く。


「懐かしいな。まだ一年も経ってないけどさ」


15歳の誕生日、私は駅前で演奏しているバンドマンに声を掛けて、家に泊めてくれって言ったんだよね。


当然断られたけどさ。