桜が咲く頃に、私は

「……そうだな。出来ることがどんどん目の前から消えて行く。でも、これは俺の問題だし、お前には関係ないから。何とかするから、早春は気にするな」


空は少し悲しそうにそう言ったけど、こんな酷いことがある?


いくら強がったって、空一人でどうにか出来る問題とはとても思えない。


だけど……私が出来そうなことなんて、死んだ後に天使に文句を言うことくらいしか思い付かない。



「大丈夫だから。言っただろ? 俺は最初から、死ぬ為に生き返ったんだから。それが遅くなるか早くなるかの違いだ。ほら、もう寝ろよ」


立ち上がり、私を隣の部屋に追いやるように迫る空に圧され、私は夢ちゃんが眠る部屋へと戻った。


空がそうなってしまった以上、私ももしかしたらそうなる可能性があるのかな。


そんなの怖いよ。


せっかく毎日を必死に生きるって決めたのに、私の力ではどうしようもない部分で諦めなければならないことがあるなんてさ。


布団に入り、夢ちゃんを包むように腕を回して、私はゆっくりと眠りに落ちて行った。


この時の私は……本当に何もわかっていなかったんだ。


良く考えたらわかったことなのに。