桜が咲く頃に、私は

「泣くほど悔しいなら、今からでも変われば良いだろ。そうやって周りに当たり散らしたって、何も変わらないんだよ。少なくとも私は、少しずつでも変わろうとしてる」


しばらく睨み合って、深沢は何か思うところがあったのか、私の服から手を離して。


柵に手を掛けてため息をついた後に、ぽつりぽつりと話し始めた。


「あんた前に、『自分より強いやつが現れたら、養分になるのか』みたいなこと言っただろ? そんなもん私はならねぇよって思ったけど……さっき、私は何も出来なかった。あんたが止めてくれなかったら、私は床を舐めさせられてた」


また涙ぐんで、悔しそうに。


やられて初めて、やられた側の辛さを知るんだろうね。


深沢は直接的に弱いものいじめをしていた、そりゃあ救いようのない極悪人だと思うけど、それに興味を持たずに無関心を決め込んでいた私は……深沢よりマシだなんて言えるのだろうか。


「でもさ、深沢もわかってたんでしょ? あの場でもしもあんたが暴れたら、せっかく皆で作った物まで壊すと思ったから、あんなやつらにも逆らわずにいたんだ。頑張ったね」


「あーもう! 何なんだよお前! ついこの間まで、そんな事言うようなやつじゃなかっただろ!? いつも私をバカにしてさ、なんでお前だけそんな良いやつみたいになってるんだよ!」