桜が咲く頃に、私は

凄くヒヤヒヤしていた。


出来るなら、会わないでほしかった広瀬と空。


その二人がまさか学校祭でばったりと会ってしまうなんて。


四人で各教室を回って、夢ちゃんが私の教室に来たいと言うから、あまり気乗りはしないけど行くことに。


帰ったらもう、自由時間は終わりになるだろうから。


「おかえりなさいませご主人様!」


空と夢ちゃんが教室に入ったと同じタイミングで、別の出入口からこっそりと戻った私と広瀬。


「やだイケメン! あの人は私が行くから! お前らに出番はねぇから!」


空を見るなり、深沢が張り切って駆け出した。


まあ、一般的に見たら空はやっぱりかっこいいんだろうなぁ。


私が接客しないで良いなら、誰が相手をしてくれても良いんだけど。


「あー……疲れた。てか、柔道部の人達、メイドにハマりすぎだろ。あのデカい身体で萌え萌えしてるとか笑えるわー」


私が帰って来たのに気付いたのか、翠がげんなりした様子で話し掛けて来た。


客席を見てみると、巨漢の柔道部員らしき人達が満面の笑みで教室内を見回している。


他に客は、空と夢ちゃん、他のクラスの女の子が二人と、一般の男性が三人と、落ち着いた雰囲気だった。