桜が咲く頃に、私は






「ん……あれ? 私……生きてる?」





目を開けると、そこは真っ白な空間。


真っ白というか……光で溢れているような。


「な、なんだ……どこだよここ」


隣には、私と口論になっていた男の人も。


ゆっくりと目が慣れて行って、ここは……雲の上?


見渡す限りの一面の雲。


まるで、時間の流れを感じさせるような雲の動きに息を飲む。


そして、私達の前に伸びた、先が見えない恐ろしく長い階段。


『はい、いらっしゃいませ。えっと、桜井早春さんと天川空(てんかわ そら)さんでお間違いありませんね? あなた達はトラックに轢かれて死にました。今から天国にご案内しますねぇ』


頭上から声が降り注ぎ、私と男の人はその方を見上げた。


物凄く際どい、レースのレオタードのような服に、まるで雲を纏っているかのような神々しい姿。


それが人間ではないことはひと目見るだけでわかった。


「な、なんだって? それに……なんだこれ」


『私はあなた達を天国に案内する天使だとでも思ってください。さて、突然死んだと言われても納得出来ないと思うので、天国に着くまでに説明しますねぇ』


いきなりそんなことを言われても、全然わからない。


少しずつわかってきたのは、こんな場所を見たことなんてないし、交差点にいたのに次の瞬間ここにいたということは……やっぱりそういうことなのだろう。


「私……死んじゃったのかぁ……」