桜が咲く頃に、私は

その後、夢ちゃんに晩御飯をご馳走になり、お風呂も入らせてもらって洗濯までしてもらった。


いつものように家事が終わってから宿題をして、また私の布団に潜り込んですぐに眠った夢ちゃん。


一切の家事をこなす凄い中学生なのに、眠っている時は小さくて可愛い女の子。


こんな家族がいたら、そりゃあ死ぬまでに何かしてあげたいって頑張るよね。


起こさないように、そっと布団から抜け出して隣の部屋に行く。


空は、真っ暗な中で、窓の外の夜空を見ていた。


「30分前。今日が終わるまで。気持ちの整理は出来たのか?」


「そんな簡単に出来るもんじゃないよ。でもさ、一つだけわかったことがあるんだ」


目を合わせず、ぼんやりと外を見ている空の前に腰を下ろし、私も同じように夜空を見上げた。


「生きるってさ……こんなに苦しいんだね」


それは、私が今置かれている状況だけの話かもしれないけど、生きることを選んだから感じている苦しみだ。


「……最初会った時は軽そうに見えたけど、実はそうでもなかったんだな。一応さ、念の為に聞くけど……ファーストキスっていつ?」


「私と空が死んで、生き返った日」


「そっか、なんかごめん。でも、これはそういう感情はないから、除外してもいいと思うんだけど」


そう呟いた空を、私は睨み付けた。