桜が咲く頃に、私は

〜早春へ


これを見ているということは、俺はもう死んでいるんだろうな。


この家のどこに置いても、早春より先に夢が見てしまいそうだからここに隠すよ。


どうかな、俺は早春に上手く想いを伝えられたかな?


早春の左手の薬指には、指輪があるかな?


もしもまだなかったら、愛する人に勇気も出せなかった情けない男だって笑ってくれ。


俺は早春と生きたかった。


二人で一緒に、余命が尽きるまで。


でもそれと同時に、早春に余命を全部渡して、一日でも長く生きてほしいって思っていたんだ。


それなのに離れたくなくて、今日まで早春に甘えてしまった。


ごめんな。


早春がいたから、死ぬ為に生き返った俺の人生は楽しかった。


静かに死を受け入れるつもりだったけど、必死に生きようとする早春の姿が眩しくて、俺はきっと恋をしたんだ。


俺達が結婚するには、早春が15歳だからまだ出来ないんだよな。


2月10日の誕生日。俺達が初めて出会った日。


ギリギリまで悩んだけど、もうこれ以上は時間がない。


俺がもしも、0時になるまで生きていたなら大丈夫だ。


天使は言っていたんだ。


もしもどちらかが先に死んだ場合、余命を分けた時の義務の一切は消失するって。


何の相談もしなくてごめん。


メリークリスマス。早春


愛しています。 空〜