桜が咲く頃に、私は

連れて行かれたのは屋上の端の柵。


私が残り日数を教えなかったから不機嫌になっているのかな。


「43って、ここ数日でめちゃくちゃ減ったよね。広瀬と付き合ってた時も異常な減り方だったけど……もう残り少ないんだよ!? ちょっとは考えないと、すぐになくなっちゃうよ!」


「え……はは。翠、あんたそんなキャラだっけ? 私の心配なんかしてるの?」


「してるよ! してるに決まってんじゃん! 早春が死んだあの日から、長くて半年しか生きられないって知った時から! あんたが気にしないで普通の生活を送れるようにって、ずっと我慢してたけど……もう無理だよっ!」


私に背を向けたまま肩を震わせて、涙を拭っている翠。


そんなに私のことを考えてくれてたなんて。


「ごめん……そんなに気を遣ってくれてたなんて思わなかった。翠、いつも通りだったから……」


「そうだよ! いつも通り振る舞ってたんだよ! 早春を家に泊めなかったのも、毎日夜になると涙が出てくるのを見られたくなかったから! 大事な友達だから、出来るだけ家に泊めてあげたかったけど、私が泣いてたら早春が気にすると思ってさ!」