桜が咲く頃に、私は

空を見ると、出番が終わったかつてのバンド仲間と話をしている。


そのうちの二人は、私達が死んだ日に一緒にいた人達だ。


「……おせぇぞ天川。二ヶ月半も遅刻しやがってよ。やっと来たってのに、派手に暴れたみたいじゃねぇか」


「ああ。悪かったな葛西、上山。俺も、こいつをここに連れて来たくてさ。勝手で悪いけど、お前達の傍に置いてやってくれよ。嫌なら捨ててくれてもいいから」


そう言って壊れたギターを二人に差し出した空。


「俺は廃品回収なんてやってねぇぞ? こんなもん託しやがってよ。ところで……あの子だよな? 前に駅前で俺達の曲聴いてた子」


葛西と呼ばれた人が私を指差して、笑みを浮かべて空に尋ねた。


「あ、ああ。あの時の家出少女だ」


顔はあまり覚えてないけど、何となくこんな感じだったような気がするな。


「じゃあ、本当に約束を守ったのかよ。お前も律儀なやつだな。あれ? てか、お前が交通事故に遭った時一緒にいた子じゃないのか? なんだよ……これは運命ってやつかもな」


「え、あの……ちょっと。約束って何? 空と私は……何か約束してたの?」


私と空を見て笑顔になっていた葛西に駆け寄って、そう尋ねたけど……空が慌てた様子で首を横に振った。