桜が咲く頃に、私は

〜翌日~

学校に行くと、教室に入るなりいつもよりもざわついていることに気付いた。


楽しそうな話じゃない。


何かこう……緊迫感があるというか、居心地が悪い雰囲気。


そんな中で、深沢の取り巻きの山田が私に気付き、慌てた様子で駆け寄って来た。


「さ、さ、桜井! ちょっと、ちょっと廊下に!」


「な、何。てかなんなのこの雰囲気」


山田に腕を引っ張られ、廊下に出た。


どこまで行くのか、あてもなくうろついている感じだ。


「姫ちゃんとか南山には連絡した。桜井にメッセージ送ろうとしたら丁度あんたが来たから良かった。いや、全然良くないんだけどさ……」


山田も混乱しているのか、何を言いたいのか上手く伝わって来ない。


「落ち着きなって。一体どうしたんだよ」





「あんたこそ落ち着いて聞きなよ? 広瀬が……昨日の夜、車にはねられたって。今、入院してるって」





それを聞いた瞬間、血の気が引いたと同時に、頭に浮かんだ三人の顔。


昨日話をしていたのに、結局こうなってしまった。


恐らくやったのは今尾と上野。


そして、気弱そうな友紀の顔が脳裏を過ぎった。