桜が咲く頃に、私は

天川の問いに、天使が答えた。


条件を言う前に、余命を分けるかどうか決めろ……ってことか。


まあ、天使にしてみれば、どっちが余命をもらうって話でこれだけ揉めるんだから、条件を出してさらに揉めるのが嫌なんだろうな。


だから先にまず、結論を出してもらう。


そんなとこだろう。


チラリと天川と目を合わせて、私は小さく頷いて。


「私は……半年でもいい。あんたは?」


「ここで延々と口論を続けるよりマシか。わかった、俺もそれでいい」


二人がそう言うと、天使は優しい微笑みを浮かべて。


『では、遠慮なく余命を分けますね。また、あなた達の余命が尽きた時、ここで待っていますね。その時にはあなた達の生きた半年の話を聞かせてください』


天使の両手に、淡い光の塊が二つ。


それが私と天川に向かって移動して。


そして胸に吸い込まれた。


『気を付けてください。余命が半年……ですが半年間死なないということではありません。死に直面すれば余命は即座に無くなりますから』



『そうそう、条件ですが……不安定な命を保つ為に、一日に一度、お二人は10秒以上口づけを交わしてください。そうでなければ、命が形を保てなくて死んでしまいますからね』



『そして、幸せを感じてしまうとその都度余命が一日減りますのでご了承ください』




『あー、言い忘れていましたが、口づけの際に相手に余命を渡すことも出来ます。方法は簡単。何日あげたいと念じるだけです』






『それとですね、もしもどちらかが先に……』