桜が咲く頃に、私は

「なんか……決まったような気がする。うん」


目的地も決まらず、とりあえず歩いていた私の足が、明確な意思を持ったかのように力強く動き始めたように感じる。


「夢は何だって喜ぶよ。早春のこと、好きみたいだからな」


「そりゃあそうでしょ。毎日二人で抱き合って寝てるし。私も夢ちゃん大好きだからね」


プレゼントが決まって、頭の中がスッキリした気がする。


足取りも軽やかに、向かうのは駅に隣接するビル。


その中に入っている店に、確かそれを見た気がするから。


二人でそのビルに向かって、私が買い物を済ませるまで空には待ってもらって。


「じゃ、帰ろっか」


それをバッグに入れて、待たせていた空にそう言って、家に帰ろうと歩き出す。


「なあ早春、今日俺さ、仕事がきつくてちょっと疲れててさ。もしかしたらすぐに寝てしまうかもしれないんだよな」


「あ、そうなんだ。まあ、この前まで大学生だったのに、いきなり肉体労働だもんね。最悪、寝てたら私がキスしておくよ。二人とも起きてなきゃいけないってルールはないでしょ?」


私がそう言うと、空は「なるほど」と小さく呟いたけど、その後すぐに首を横に振って。


「いやダメだ。それなら、家に帰る前にキスしよう」