桜が咲く頃に、私は

「いやいや、冗談じゃないっての! 私だってね、一年あったらやり残したことも出来るし、何より私を待ってる人がいるんだよ! あんたの余命って決め付けるなっての!」


「いいや、俺のだ! 死を受け入れてたってのに、いざ余命があるとわかったら惜しくなったのかよ!」


いつの間にか、天川と私は向かい合ってお互いに譲らない口論を始めていた。


不思議だった。


生きる意味を失っていた私が、たった一年の余命の為に必死になっていることが。


そんな私達の様子を見ていた天使が、うんうんと頷きながら、手をパンッと叩いて見せた。


『それではこうしましょう。一年の余命を、二人で分けるのです。元々一つの命を二つに分けるのですから、命を維持する為の条件がありますが……いかが致しましょうか』


天使が割って入り、私達の口論はピタリと止み、お互いに顔を見合わせる。


余命を半分に分ける?


つまり、半年ずつにするってこと?


「……半年か。条件ってなんだよ。それを教えてくれ」


『それは出来ません。あなた達が余命を分けるという選択をした時に教えます。大丈夫、大したことではありませんので』