「わっ」
「また赤くなっちゃったね?」
「赤くないよ!」
「そうかな。キスした瞬間真っ赤になってたけど。ドキッとしちゃった?」
「してない!」
信じられない。
あの引っ込み思案な悠がこんな事をするとは。
まるで別人みたい。
「じゃあ僕もう教室戻るね。早速クラスの人と話してみるよ」
「……頑張れ」
「うん、頑張るね。佑紀ちゃんのことも」
「早く行って!」
恥ずかし過ぎてこれ以上二人で居るのが耐えられなくなり、精一杯の力で悠の背中を押すと、悠は笑いながら教室の方に歩いていった。
「悠、どうしちゃったんだろ」
今まであんな悠は見たことがない。
覚悟してって言ってたけど、まさか毎日今みたいな事されるの?
当分悠の顔はまともに見られそうにない。
「……全部びっくりしたせいだ」
熱が集まった顔と騒がしい心臓の音が落ち着くまで、誰も居ない裏庭で一人悶々と考えを巡らせた。


