「宮水先生!」

未来が笑顔を見せると、高嶺も「今日も調査は良さそうですね」と微笑む。未来のベッド脇に置かれた椅子に腰掛け、高嶺は「気分は悪くないですか?」と訊ねる。

「元気です!……ねえ先生、あたしいつ退院できるの?もう手術して三ヶ月くらい経つよ?」

「……発作が起きないか、少し心配なんです。君に何かあったら大変ですから」

幼い頃から入院する時にはこの病院に来ていたため、未来はまだ医者ではなかった頃の高嶺のことも知っている。有名進学校の制服を着て、小児科病棟などに遊びに来てくれたのだ。未来もよく話し相手になってもらっていた。

「そうだ!僕と一緒に中庭を散歩しましょうか」

高嶺の提案に、未来は「はい!」と大きく頷く。未来は入院している病棟以外、許可がないと出ることができない。そのため、外を自由に歩くのも久々だった。

「それじゃあ、行きましょうか」

高嶺に手を取られ、未来は廊下を歩いて行く。久しぶりの外にドキドキと胸が高鳴り、自然と顔には笑顔が生まれる。