相川くんはギャップに弱い

「俺、絆の保険なの」

「保険?」

「万が一絆が死んだら、俺に白羽の矢が立つんだって」

「え……」



不可解な話に首を傾げる。

刹那は縁を切るために家を出たのに、どうしてまだ後釜扱いされてるの?



「だからお前も覚悟しとけよって。
そんなの知るかよ、普通になるために名字まで変えたのに」

「組の人はなんで刹那を推してるんですか?」

「組の一部のヤツらは、絆より俺の方が極道に向いてるって言うんだよ。
何を根拠にって思うけど」

「……それはなんとなく分かります」

「なんで?」

「絆さんは優しすぎる」



そう言うと、刹那の喉の奥から聞こえた乾いた笑い声。



「ほんと、きいちゃんは人をよく見てる」