相川くんはギャップに弱い


「ギャップ?初めて言われました」

「うっそ、かなりギャップあると思うけどきいちゃん」

「きっと引越しばかりだったので、気がついてくれる人が少なかったんです」

「へえ、転勤族なの?」

「はい、父が製薬会社に務めてるんですけど転勤が多くて」



相川くんは少し距離をとって「なるほどね〜」と腕を組む。



「俺、ますますきいちゃんに興味が沸いちゃった」



すると突然調子を狂わせることを言うものだから、驚いて硬直してしまった。

……今の会話のどこで興味関心を持ったんでしょうか。



「個展、いつだっけ」

「再来週ですね、そろそろ準備に取りかかります」

「きいちゃんの個展行きたい」

「ぜひ来てください、販売もしてるのでぜひ」

「うわ、大人しそうに見えて意外としたたかなんだ」



脈絡のない問いかけをされたのに会話が弾む。

相川くんは目を丸くした後、ニヤリと笑った。

笑わないでください。人間、多少したたかじゃないと生きていけませんよ。