「それで泣いて泣きすぎてすっ、ずびまぜん」
女の子は涙をこぼし味噌汁を口に含む。
「うっ、うぅ~、味噌汁しょっぱい」
…… そら泣きながら飲んでますからね。
ポロポロ、ボロボロ、味噌汁に涙を落とし続け数分。
ようやく泣き止んだ女の子は改めて僕に問う。
「…… あっ、あの、本当にこれからもお隣さんを頼っていいんでしょうか?」
「えっと、まぁ、はい。いつでも僕で良ければどうぞ」
そう言うと女の子は顔を綻ばせる。
「―― っ、 ありがとうございます。お隣さん!」
…… 嬉しそうだな。
そんな顔を見せられては“駄目です”なんて言える筈もない。
「……えっとーじゃあ今更なんですが、自己紹介しときますね。僕の名前は――」



